まあたらしいヴァイナルを聴こう
2024 - 12 - 1
前回までのあらすじ
ひょんなことから大好きなシンガーソングライターのレコードを手に入れたSi-rubberは、そのレコードを聴くべくオーディオテクニカのサウンドバーガーを注文した。
それに飽き足らず、サウンドバーガーが届かない内から気になるレコードを買い漁るのだった…。
→→→To Be Continued...
オバケやしきーバーリ・トゥードAdvent Calendar 2024の1日目の記事です。
レコード"dig"られがち
UNDERTALEやGhostwire:Tokyo、Cult of the Lambの限定版レコードの発売を横目に「俺再生環境持っとらんしなぁ」とスルーしていたらなんか高橋徹也氏のレコードを手に入れてしまった。
手に入っちゃったからにはもう…ネ…とサウンドバーガーを手に入れた!
これはこれでかわいいけど使い道ねぇ~~~~!と見送っていたので手に入れる動機を得られて大変嬉しかった。
そういうわけでレコードデビューをした。
そうなると最近話題の漫画とかが気になってくる。
レコード大好き小学生カケルとかさ!!
男男巨大感情とか令和の小学生女子から"ちゃん"という敬称で呼ばれる聖子ちゃん明菜ちゃんの偶像性など非常に栄養価の高い漫画でおすすめです。
他にもレコードジャンキー富和やら雑誌のレコード特集やらを読み漁り、ふと思うことがあった。
大体中古レコードの話じゃね?
中古レコードの話が…中古レコードの話が多い…!
自分自身中古レコードへの興味も非常にある。甲斐バンドの漂白者(アウトロー)が入ったレコードとか欲しい。(※ネット通販ならぎょうさん見かけるができれば実物を「アッ!」と手に取りたい)
でもなんか…新品レコードの話をもっとしてもいいんじゃないですか!?
まあたらしいヴァイナルを聴こう
結局中古レコードを1枚も手に入れず新品レコードばかり買っている立場として、お気に入りのレコードの話をしていこうと思います。
5枚ご紹介。
先に言及したUNDERTALE、Ghostwire:Tokyo、Cult of the Lambのサントラも入手しましたが今回は別のものの話をします。
チャイナ・カフェ / 高橋徹也
もう本当ずっと大好きな高橋徹也氏の名曲チャイナ・カフェのレコードが今年2024年7月に発売しました。なんて?
音楽ナタリー×GREAT TRACKS コラボレーション企画第2弾!!
しかも1997年にCDで発売したマキシ・シングルの初アナログ盤化らしい。なんて??ソニーミュージック結局高橋徹也氏に未練たらたらだろ
撮影最中はどうしても埃が…
- A-1 ナイトクラブ
- A-2 チャイナ・カフェ
- B-1 最高の笑顔
- B-2 ナイト・フライト
手持ちのレコードで唯一の45回転のレコード。一般的なアルバムは大体33回転です。
同じ曲でも一定時間中に針が通る距離が長い程、解像度が高くなり音質がいいらしい。
アーティストについては別記事でじっくり書きますがこのシングルについては全部ようすがおかしい曲が固まっているのもかなり嬉しい。
YouTube Musicなど配信サービスでも聴けるので是非。
KOWLOON'S GATE SOUNDTRACK
サウンドバーガー注文後に「せっかくなら他のレコードも聴きたいな…」とふらふら入ったレコード店で二度見して退店して逡巡した末に再入店して買ったもの。
これももとは1997年のゲームじゃん…。
血のように赤い
実際の九龍城塞はゲームの舞台になった1997年にはもう取り壊されているわけですが、その頃の香港への憧憬が呼び起こされるようなあえてノイズをかけた音楽を、レコードといういずれ物理的摩耗での劣化が訪れる媒体で聴くことのねじれた面白みがあります。
エアにに / 長谷川白紙
ジャケ買いしちゃったんだよぉ!
今はジャケットで気になったものをその場で配信サービスで聴いて「あっ好き」と強い意志で買うということができて良い。
学マスに楽曲提供してる方だというのは後から知りました。
手持ちのレコードの中でもトップ3に入る好きな盤面
PANZERBALLETTとかCyriakとかが好きなんですがそれ系のカオスさ。
しかしなんか落ち着く感じの心地よさもあり…なんだこれは…。
盤面デザインがすごく好きなので曲を聞きながらレコードが回転するのを眺めているだけで和む。
HOLD THE GIRL / Rina Sawayama
ジョン・ウィック:コンセクエンスのシマヅ・アキラ役で出演されテーマ曲も歌ってらっしゃるRina Sawayama氏のアルバム。
JW4から知ったんですがThis HellがPV含めめっちゃ好きで…。
瑪瑙みたいできれい
マリンブルーやロイヤルブルーが好きなのでジャケットも盤面も真っ青で大変所有欲が満たされる。
また他にこのアナログ盤を持っている方の手に入れたぜヤッター!ツイートなどを見ているとやはり一枚一枚柄の出方が違うようで、その中でも自分の手に入れたものは中々…綺麗なんじゃないかな…!と思っています。
このアルバムの音を物質として固めるとこんな色になるのかな、と考えるとなんだかしんみりとした気分になります。
青色に引っ張られとるんちゃうか。
Lo-Fi / Computer Graphics
vaporwaveで有名なHong Kong Express氏のDream Catalogueというレーベルから出ているアルバムのアナログ盤。
販売ページのイメージ画像と比較すると詐欺みたいな盤面の色をしているのは御愛嬌。
す~げぇいちごミルク色
内容は(聴きやすさを重視した他のvaporwave音楽同様に)環境音楽としての色が強いものになっています。
ノイズ加工も強めで、KOWLOON'S GATE SOUNDTRACKと同じく音質の劣化とアナログ盤そのものの劣化との因果関係のなさというねじれを感じさせ、聴くのが楽しいです。
わざと頻繁にかけて摩耗させたい盤の中の1枚。
どうですか?
電子音楽的なものに偏ったピックアップとなりましたが、自分はそういったものを今アナログ盤で聴くことが楽しくて仕方がありません。
勿論アナログ盤が主流だった時代から電子音楽は存在していますが、今という音楽制作がコンピューター上で完結し、データという実体を持たない形で配信される時代に、波形を塩化ビニルの塊にプレスしその溝を針で掻き鳴らし物理的に奏でる物体が面白いのです。
現実世界で形を得たそれらは繰り返し聴くことで削れて不可逆的に劣化していきます。
配信されたデータのままでは起こり得ないことです。
誰の手にも渡ったことのない、まっさらな新品のレコードを、何度も聴いてみませんか?